【 中煎り 】コーヒーの淹れ方- ブルーマウンテンブレンドの甘さとコクを引出すレシピ解説

中煎りコーヒーは、多彩な味わいを
バランスよく感じることのできるコーヒーです。
なぜならこの焙煎域では、酸味や甘味、
香りや質感などが様々な形で現れるからです。
この記事では、中煎りらしい
豊かな甘さとコクを引き出す
ドリップコーヒーの淹れ方を解説します。

使用する豆は中煎り豆の代表、ブルーマウンテンブレンドです

COFFEEBOYの中でも、味のバランスに優れ様々な風合いを味わうことのできる中煎り豆を今回使用します。

監修は'17年日本ハンドドリップチャンピオンシップ決勝大会出場 光店守本店長。

おいしいドリップコーヒーへの第一歩は、豆の量や挽き方、お湯の量や温度を意識する事から始まります。
このレシピで、あなたがハンドドリップの入り口に立てることを願っています。光店店長 守本雅美

おいしい中煎りドリップコーヒーを淹れましょう!

1. 中煎り豆の焙煎域と特性について

中煎りの焙煎域は、ミディアム ロースト(グレーの⬇︎)、ミディアム +ロースト(エンジ色の⬇︎)、ハイ ロースト(グレーの⬇︎)です。

特性は、表皮の硬さも水分の含有量も中ほど程度です。
これはドリップを始めた時、粉がお湯を吸収する速度も中程度であることを表します。

今後、浅煎りや深煎りを抽出する時の基準となる特性です。

COFFEEBOY「ブルーマウンテンブレンド」について

COFFEEBOYの 【ブルーマウンテンブレンド】は、
どなたにも抽出し易く、淹れ損じることの少ないブレンドをターゲットにしています。

シングルオリジンの【ブルーマウンテン No.1】に比べ、よりスパイス感の広がるブレンドです。

2. 【中煎り】ドリップコーヒーの淹れ方 レシピ MAP

これから解説するドリップコーヒーの淹れ方【中煎り編】のレシピMAPです。
ミディアム ロースト〜ハイ ローストの焙煎域で応用できます。※ブックマークをしてご利用ください。

●このレシピのターゲットは、
穏やかでクリーミィなコクとスパイス感のある香ばしさを引き出す事です。

3. 用意する豆とお湯の量、挽き方と湯温について

これからコーヒー約200ml、マグカップ1杯分を淹れていきます。
準備する豆(粉)とお湯は以下の通りです。

豆の量、豆の挽き方(挽き目)について

200mlのコーヒーを淹れるための豆 / 粉の量は20gです。

豆のまま購入する時は、中粗挽きにしてください。粗さは画像のような感じです。
粉で購入する時は、およそ中挽きになっています。(中挽きでも問題ありません。)

Q. なぜ、中粗挽きなのでしょうか?

A. 挽き目を細かくするとコーヒー粉にお湯が早く浸透し、抽出に使える時間が短くなります。思い通りのコーヒーを淹れるためには、ある程度抽出に掛ける時間が必要です。中粗挽きにすることで、味をコントロールしやすくなります。

お湯の量と湯温について

200mlを淹れるために注ぐ総湯量は260ml(仕上がりの1.3倍)です。
また中煎りに適した湯温は90℃です。

湯温計が用意できない時は、
・お鍋でお湯を沸騰させる
・火を落として(ぐつぐつの状態から)お湯を落ち着かせる
・常温のケトルに指定の湯量を注ぐ(常温に注意)
その過程で湯温はおよそ90℃前後になります。


仕上がりの温度は、およそ75℃。様々な要素をバランスよく感じることのできる温度です。

Q : なぜ、湯温は90℃なのでしょうか?

A. 90℃はコーヒーを抽出する上で、最もバランスがよく多彩な味わいを引き出すことのできる温度です。この【中煎り/90℃】がハンドドリップ レシピの基準となり、深煎りは低めに、浅煎りは高めの設定になります。

【一言メモ】覚えておいてください。1 : 10 : 13の法則

突然の来客に豆の量を迷われたことはありませんか?この法則を覚えておけば安心です。

豆の量 : 仕上がりコーヒー量 : 注ぐお湯の量は、いつも 1 : 10 : 13
また通常のコーヒーカップは160ml、マグカップはおよそ200mlと覚えてください。
例)コーヒーカップ 2杯分320mlのコーヒーを抽出したい時には、豆は32g、お湯の量は416mlになります。

※注意※
スペシャルティコーヒーでは0.95:10:13になります。

4. 中煎りドリップコーヒーの淹れ方:第1投 / 蒸らし

さあ、抽出を始めましょう。
ドリップコーヒーを淹れる時は、最初に蒸らしを行います。コーヒー粉を湿らせて、抽出の準備をします。(お湯は分量外)

1投目 : 蒸らし。お湯の量と時間。

蒸らし
最初にフィルター内のコーヒー粉を平らにします。
その後コーヒー粉全体にお湯を満遍なく注ぎます。
画像(2段目)のようにコーヒー粉が膨らみ、抽出の準備を始めます。

蒸らしの湯量は60ml(60 g)

スケールを用意できない時は、
・サーバーにドリッパーから滴がしたたるまでドリップしてください。
最終的にサーバーの底に薄くコーヒー液が溜まる状態になります。

蒸らしの時間は、30秒。(注ぐ時間=約10秒 蒸らし=20秒が目安)
抽出の全工程は、約2分30秒です。

Q. 蒸らしの前にペーパーフィルターを濡らした方が良いでしょうか?

A. クラフト色の みさらしフィルターはリンス(濡らす)をお勧めします。匂いの除去がされていない場合があります。漂白済の白いフィルターは、リンスしなくても味には影響はありませんが、私はリンスをする派です。

詳しくは > 浅煎りスペシャルティコーヒーの淹れ方をどうぞ

5. 中煎りドリップコーヒーの淹れ方:第2投 / 味形成

2投目は、味を形成するドリップです。
主なコーヒー成分を抽出していきます。

2投目、味形成。

2投目
蒸らしで膨らんだコーヒー粉の頂点を目掛けて、
細く調整したお湯をドリップしましょう。
500円玉大の円を描くように
ケトルを回しながら注いでください。

中心から外側に、外側から中心に。何度か往復しましょう。
ここでコーヒーの成分を全て出すつもりで、テンポよくドリップします。

・ 120ml(120g)をおよそ30秒間で注ぎます。
・ スケールを用意できない時は、サーバーの目盛りが約90mlになるまで注いでください。


注ぎおわったら、コーヒーがサーバーへが落ち切るのを待ちましょう。
2投目の工程は50秒間です。(注ぐ時間=30秒 待ち時間=20秒)

6. 中煎りドリップコーヒーの淹れ方:
第3、4投 / 濃度調整

2投目でコーヒー成分を抽出した後は、濃度調整をします。

3/4投目 : 濃度調整

3投目
2投目と同じように500円玉大の弧を描きながら、40mlをおよそ13秒間で注ぎます。
2投目とおよそ同じ速度のドリップです。細めのお湯でテンポよく注いでください。

500円玉の外側にお湯を注ぐと、ムラに仕上がったり雑味の原因になります。
2投目でできた『壁(円の外側の盛り上がった部分)』を崩さずに円内に注いでください。

40mlを注いだら、コーヒーが落ちるのを待ちましょう。
3投目の工程はおよそ30秒間。(注ぐ時間=約13秒 待ち時間=17秒)

※注意※ 時間は目安です。ドリッパーの形状などで落ちる速さは変わります。

4投目
3投目と同じく40mlを同じ速度で500円玉の内側に注いでください。
260mlすべてを注いだら、
コーヒーが落ち切るのを待って中煎りハンドドリップの完成です!

7. 甘さとコクを引き出す仕組み

この章では、なぜこの記事のレシピで甘さとコクを引き出すことができるのか?
その仕組みについてお話しします。

【重要】味わいは順番で現れます

グラスの画像は、抽出時間(およそ2分30秒〜3分)を5等分し、
時間差でドリップしたコーヒー液をグラスに入れたものです。

それぞれをテイスティング(コーヒーではカッピングと言います。)をしてみると、
コーヒー成分が、「酸味と香り」、「甘味とまろやかさ」、「苦味」、「雑味」、の順番で現れることに気付きます。

競技者たちは、この時間差を利用して思い思いの味わいを創造し、腕を競うのです。


甘さが抽出される時間帯に多くお湯を注ぎます

中煎りレシピMAP中浅煎りレシピMAPの湯量を比較したものです。

2投目(酸味と甘味の時間帯): 中煎りMAP120ml : 中浅煎りMAP80ml
3/4投目(甘味/苦味の時間帯) : 中煎りMAP40ml : 中浅煎りMAP65ml

・中煎り豆は本来甘味を多く含んでいます。
酸味と甘味が抽出される2投目にお湯を多く注ぐことで、甘味をしっかり引き出します。
・中浅煎り豆は本来酸味を多く含んでいます。
酸味と甘味が抽出される2投目にお湯を少なく注ぐことで、酸味を穏やかにします。

このように、
カッピングで見極めた時間帯に湯量、湯温、注ぎ方を調整することで
味わいをコントロールし、レシピを開発していきます。

【 中煎り 】ドリップコーヒーの淹れ方-甘さとコクを引出すレシピ解説

7. バリスタからのメッセージとまとめ

ドリップコーヒーの淹れ方【中煎り編】は、いかがでしたか?

ハンドドリップは、コーヒーの世界を広げてくれます。光店守本店長

ポイントは、
甘味が抽出される時間帯に湯量を集中させながら、残りは均等に分散し、
バランスよく味わいを引き出す。そんなイメージです。


ハンドドリップは、
・コーヒー豆の量/挽き目
・お湯の温度/量
・注ぎ方/時間

この6つの要素をパズルのように組み合わせることで、
自分がイメージするコーヒーと巡り合える喜びがあります。

コーヒーはとてもパーソナルな飲み物だと
私は思います。
様々なハンドドリップを経験して、
ぜひ、あなたの、中煎りコーヒーと出逢ってください。

守本 雅美
(株)徳山コーヒーボーイ テイスティング・マネージャー / 光店 店長
*日本スペシャルティコーヒー協会主催 2017年ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ 決勝大会13位

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【中煎り】ドリップコーヒーの淹れ方 レシピMAPを再掲載します

中煎りストレートコーヒー
ハンドドリップ レシピのまとめ

○仕上がりのコーヒー量 -200ml
○コーヒー粉 -20g / 中粗挽き
○注ぐ湯量/湯温 -260ml / 90℃
○仕上がるまでの時間 -およそ2分30秒
●1投目 【 蒸らし 】
注ぐ湯量 -60ml
時間 -30秒(注ぐ時間+蒸らしの時間)
スケールがない場合 -サーバーへ滴が垂れるまで
●2投目 【 コーヒーの味形成 】
注ぐ湯量 -120ml
注ぐ範囲/プア・サークル -500円玉大
時間 -およそ50秒(注ぎ始めてから落ちきるまで)
スケールがない場合 -サーバー内のコーヒーが
90mlくらいになるまで注ぐ
●3投目 / 4投目 【 濃度調整 】
注ぐ湯量 -各40ml
注ぐ範囲/プア・サークル -500円玉大
時間 -およそ30秒(注ぐ時間=13秒、待ち時間=17秒)
スケールがない場合 -3投目はサーバー内のコーヒーが
150mlくらいになるまで注ぐ
4投目は落ちきるまで

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中煎り豆とおすすめ豆のご紹介

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