【ドリップで淹れる】アイスコーヒーの作り方 ② -キリマンジャロ : 爽やか編

最終更新日: 2025/10/21

ドリップ アイスコーヒーは、日本の夏に一服の清涼感を運んでくれる、この国ならではのコーヒー文化と言えます。
すでに完成されたこのコーヒーを、昨今のトレンドを意識したフレーバーや個性が引き立つように抽出することはできないのでしょうか?
この記事では、温かいコーヒーと同様のキャラクターやフレーバーにこだわった、今までにないアイスコーヒーのレシピを紹介します。

使用する豆はどなたにも入手が容易な
タンザニア産キリマンジャロです。

今回ドリップに使う豆は、
ウェブ上でも、コーヒー豆専門店でも
入手が容易なストレートコーヒー豆です。
中でもフルシティローストまで煎り進めたキリマンジャロを使用します。

監修は'17年日本ハンドドリップチャンピオンシップ決勝大会出場 光店守本店長。

おいしいドリップコーヒーへの第一歩は、豆の量や挽き方、お湯の量や温度を意識する事から始まります。
計量器を用意する事が望ましいですが、用意できない方への対処法も記事内では解説しています。
このレシピで、あなたがハンドドリップの入り口に立てることを願っています。光店店長 守本雅美

さあ、個性の引き立つ爽やかなアイスコーヒーを淹れましょう!

1. アイスコーヒーに適した
豆の特性とキリマンジャロについて

このアイスコーヒーの作り方シリーズでは、
・シティ ロースト
・フルシティ ロースト
・フレンチ ロースト

を適性焙煎域としています。
今回使用するキリマンジャロ( ● 印)は、フルシティ ローストです。
(香りにこだわるため極深イタリアンローストは除きます。)

深煎り豆の特性は、水分の含有量が低く、とても軟らか(もろい)です。

これは、ドリップを始めた時に、粉が一気にお湯を吸収してしまう性質を表しています。
豆の挽き方とお湯の温度に注意をしながら、抽出をしていきます。

キリマンジャロの月 5味マップ/フレーバー/酸について

COFFEEBOYの『キリマンジャロの月』は、
通常のフルシティローストよりもわずかに浅い焙煎で仕上げています。

そうすることで口に含んだ際のコクが柔らかく、
またキリマンジャロ特有の長い余韻の中に甘みが残ってきます。

今回は温かいキリマンジャロと同様の香りや味わいを引き出す事をテーマにした
アイスコーヒーのレシピを紹介します。

焙煎室から。キリマンジャロの月についてお話しします。


● フルシティ ロースト ● 酸味 3 / 甘味 3 / 苦味 4

2. 『アイスコーヒーの作り方-爽やか編 レシピMAP』

これから解説する『アイスコーヒー の作り方-爽やか編 のレシピ MAP』です。
ブックマークをしてご利用ください。

レシピのポイントは、
・蒸らしを含めて4投で抽出します
・注ぎ方は、500円玉より大きいサークル プア
・雑味が出てくる前に落とし切ります
・抽出時間は約2分40秒です


→ 抽出の過程で、初期に現れる香味と甘みを上手く引き出していきます。

3. 用意する豆の量、氷とお湯の量。豆の挽き方、お湯の温度について

この記事ではアイスコーヒー1杯分、約200mlを急冷式で淹れていきます。

200mlは冷却の氷が溶けた時の分量です。
(グラスに入れる氷は分量外)

急冷式とは、
サーバーに氷を入れて、ドリップしたコーヒー液を瞬間冷却する方法です。
コーヒーをドリップした後、氷を加え急冷する方式もありますが、
この記事では、味わいや香りを閉じ込めるために瞬間急冷式を採用します。

瞬間急冷は、ドリップの過程でコーヒー量を把握できないディメリットがあります。
あらかじめ、必要量の氷とお湯を用意しておきましょう。
分量については、次章で説明します。

ドリップにかかる時間は約2分30秒です。

豆の量 : 仕上がりコーヒー量 : お湯の量の法則

美味しいコーヒーを淹れるためには、
豆の量、仕上がりコーヒー量、注ぐお湯の量に、一定の法則があります。
ホットコーヒーでもアイスコーヒーでも、この法則を覚えておけば安心です。

それは、仕上がり量を基準にした1 : 10 : 13の比率です。
また仕上がり量はカップの容量で異なり、
一般的なコーヒーカップは160ml、マグカップは200mlと覚えてください。

今回は、アイスコーヒーを淹れるレシピですから、
湯量の13を氷 5.5、お湯7.5に分けて考えます。
つまり、豆の量 : 仕上がりコーヒー量 : 氷の量 : お湯の量の比率は、
1:10 : 5.5 : 7.5になります。

用意する豆、氷、お湯の量

この記事では、200mlのアイスコーヒーを淹れていきますので、
1:10 : 5.5 : 7.5の法則から用意する材料は以下の通りです。

豆(粉)の量 20g
氷の量 約110g
お湯の量 約150ml


◉豆の量に関するよくある質問◉
Q.
カップ数によって、豆の量はどのくらい増やせば良いのでしょうか。

A.
ドリップコーヒーは、注いだお湯がコーヒー粉を通過する時に抽出される透過式です。
茶葉などをお湯に浸す煎れ方とは異なります。
美味しいコーヒーを淹れるためには、コーヒー粉を人数分だけ掛け算する事をおすすめしますが、
それはそれぞれの好みや考え方によります。人数分 x 80%でも構いません。

豆の挽き方とお湯の温度について

豆の挽き方は、
中挽きがおすすめです。
これから豆を挽く時は、中挽きに設定してください。
市販の粉コーヒーはおよそ中挽きに挽かれています。

お湯の温度は、
約92℃が最適です。
香りを引き立てるため、90℃を下がらないようにしましょう。

湯温計を用意できない時は、
常温のケトルに沸騰したお湯を注ぐと、およそ90℃に落ち着きます。

Q. なぜ、中挽きなのでしょうか?

A. 挽き目を細かくするとコーヒー粉にお湯が早く浸透し、抽出時間が短くなります。思い通りのコーヒーを淹れるためには、ある程度の時間が必要です。中挽きにする事で時間と味をコントロールしやすくなります。またこのレシピでは抽出効率をあげるため、一段細かい挽き目をおすすめしています。調整可能なミルをお持ちなら試してみてください。

4. アイスコーヒーの作り方 - 爽やか編 |器具のセッティングと蒸らし

材料が整ったら、
器具をセッティングし、1回目のドリップです。

最初のドリップを「蒸らし」と言います。
コーヒー粉を湿らせる事で、コーヒー成分が抽出されやすくなります。

この章では器具をセットする時の注意点と蒸らしについて解説します。

器具のセッティングについて

ドリッパー、ペーパーフィルター、サーバーをセットします。

1. ドリッパーのサイズに適合するペーパーフィルターを用意しましょう。
  円錐形の閉じてあるギザギザ部を折って、ドリッパーにセット。
2. お湯を掛け流して(分量外)、 紙の匂いを除去、同時にドリッパーを温めます。
3. サーバーに氷110gを入れます。
4. ドリッパーにコーヒー粉20gを入れ、これから注ぐお湯が1方向に偏らないように、
トントンと叩いてコーヒー粉を平にしましょう。

ドリッパーをサーバーにセットしたら準備完了です。

Q : 蒸らしの前にペーパーフィルターを濡らした方が良いのでしょうか?

A. クラフト色の みさらしフィルターはリンス(濡らす)をお勧めします。匂いの除去がされていない場合があります。漂白済の白いフィルターは、リンスしなくても味には影響はありませんが、私はリンスをする派です。

詳しくは >> 浅煎りスペシャルティコーヒーの淹れ方をどうぞ

1投目 : 蒸らし。注ぐお湯の量と注ぐ時間。

さあ、ドリップのスタートです。

第1投は「蒸らし」。
お湯をコーヒー粉全体に満遍なく注ぎます。
画像(2段目)のようにコーヒー粉が膨らみ、抽出の準備を始めます。

湯量は30ml(30 g)です。
スケール(計量器)を用意できる時は、
・サーバーにフィルターをセット、コーヒー粉を入れた状態で0gにセットしましょう。
・蒸らしのお湯を30ml(30g)ドリップしてください。


スケールを用意できない時は、
・サーバーに滴がしたたるまで注ぎましょう。
最終的にサーバーの底に薄くコーヒー液が溜まる状態になります。

蒸らしの全工程は、およそ40秒です。(注ぐ時間=約10秒 蒸らし=30秒が目安です。)

5. アイスコーヒーの作り方 - 爽やか編|第2-3-4投 / 味の形成と濃度調整

この章では、
主なコーヒー成分を形成する第2投と、
濃度調整のための第3、4投を解説していきます。

2投目 : 味形成。大きめのサークル プアで注ぎます。

第2投は
「味を形成する」ドリップです。主なコーヒー成分をここで抽出します。

蒸らしで膨らんだコーヒー粉の頂点に、細く調節したお湯をドリップしましょう。
その後円を描くようにケトルを回しながらドリッパーの際(きわ)およそ5mmまで注いでください。

次に外側から中心に、そして中心から外側に。2-3度往復しましょう。
ここでコーヒーの主な成分を出すつもりで、テンポよくドリップします。

スケール(計量器)を用意できる時は、
・ 50ml(50g)をおよそ20秒間で注ぎます。かなりゆっくりとしたドリップです。

スケールを用意できない時は、
・目分量でケトル内のお湯1/2を注いでください。

注ぎおわったら、コーヒーがサーバーへが落ち切るのを待ちましょう。
2投目の工程はおよそ50秒です。(注ぐ時間=20秒 待ち時間=30秒)

◉ハンドドリップのよくある質問◉
Q.
このレシピでは、なぜ500円玉大のドリップではないのでしょうか。

A.
アイスコーヒーを作る時は、抽出したコーヒー液を冷却するために、必ず氷を加える(薄める)必要があります。
そのためドリップの工程で、できる限り凝縮されたコーヒー液を抽出しなければなりません。

同じ粉量と湯量で濃いコーヒーを淹れるには、
・ドリッパー内で、お湯がコーヒー粉と触れる表面積を大きく、そして時間を長苦する
ことが大切です。

注ぐお湯の円(プア サークルと言います)をドリッパーの際(きわ)5mmまで広げるのは、その理由です。
紅茶のティーバッグを上下に振るような効果が生まれ、抽出効率が上がります。
ドリップする円の大きさはいつも500円玉大ではなく、抽出したい味わいによって変えられる事を覚えてください。

Q. ハンドドリップ のよくある質問_落ち切りについて。

ドリップを始めると、酸味、甘み、苦味、雑味の順番で成分が抽出されていきます。嫌な苦味が抽出される時間までにコーヒーを落とし切る事が正解です。落とし切れない時は、ドリッパーを引き上げてください。

3、4投目 : 濃度調整。注ぐ円の大きさで濃度を調整します。

第3、4投。
基本は、2投と同じ円の大きさを同じようにドリップします。
(濃度調整をしたい時は、次章で説明します。

注ぐ湯量は第3、4投ともに35mlです。
3投の注ぐ時間はおよそ13秒(落ち切るまで約30秒)
4投も同じく13秒で注ぎます。

4投のコーヒー液が全て落ち切ったら、ドリップの完成です!

濃くしたい時と、薄くしたい時

この記事の方法でドリップをしてみて、
濃度を調整したいなあと思った時は、以下の方法を試してください。

● 濃くしたい時
・注ぐ時間をゆっくりする(全体で3分に)
・ドリップする回数を4回から5回へ増やす

※注ぐ量や時間の配分は、「アイスコーヒーの作り方-コク編」を>>>参考に

● 薄くしたい時
・3、4回目のドリップする円の大きさを、500円玉大にする。
・3、4回目のドリップを、中心の1点だけに注いでも良い(センター プアという注ぎ方)


※濃い薄いのポイントは、
ドリッパーの中で、お湯とコーヒー粉を長く触れさせるか、短く触れさせるか、の違いです。

・ゆっくり注ぐ ・注ぐ回数を増やす
→ 長く触れさせる →濃いコーヒーになる

・早く注ぐ ・注ぐ円を小さくする
→ 短く触れさせる →薄いコーヒーになる
が、原理です。

Q. よくある質問_センター プアはどんな時に使うのでしょうか。

A. センター プアは、⚫︎濃度をこれ以上、上げたくない時 ⚫︎ドリップする速度を上げたい時に使います。
※ 下記の動画を参考にしてください。

詳しくは>>【浅煎り】スペシャルティコーヒーの淹れ方

6. アイスコーヒーの作り方 - 爽やか編|サーブとカフェオレ

さあ、香り高いアイスコーヒーができ上がりました。
この章ではサーブ(提供)の方法と、アイス カフェオレの作り方を解説します。

しっかり撹拌、氷片を除き、コーヒーを注ぎましょう。

さあ、美味しいアイスコーヒーが出来上がりました。
ドリップしたコーヒーを、きれいにサーブしましょう。

1. マドラーなどで撹拌(混ぜる)して氷を溶かし、残った氷片を除きます
2. グラスにお好みの量の氷を入れて
3. コーヒーを注ぎます
4..コースターを使ってきれいにサーブしてください

アイス カフェオレの作り方

アイス カフェオレを作ってみましょう。

・グラスに氷を入れて、ミルクを用意します
・ミルクとコーヒーの比率は 1 : 2
・コーヒーを静かに注ぐと、マーブル状の素敵な模様が浮かびます

7. バリスタからのメッセージとまとめ

【ドリップで淹れる 】アイスコーヒーの作り方- 爽やか編は、いかがでしたか?

アイスコーヒーの作り方- 爽やか編のレシピは、いかがでしたか。

レシピのポイントは、
・香りとキャラクターが引き立つように
第2投のボリュームを大きくする
・ドリッパー内のコーヒー粉を動かして、抽出効率を上げる
・高い湯温で香りを引き立ててる

の3点です。

ハンドドリップは、
・コーヒー豆の量/挽き目
・お湯の温度/量
・注ぎ方/時間

この6つの要素をパズルのように組み合わせることで、
自分がイメージするコーヒーと巡り合える喜びがあります。

コーヒーはとてもパーソナルな飲み物だと
私は思います。
様々なハンドドリップを経験して、
ぜひ、あなた の、コーヒーと出逢ってください。

守本 雅美
(株)徳山コーヒーボーイ テイスティング・マネージャー / 光店 店長
*日本スペシャルティコーヒー協会主催 2017年ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ 決勝大会13位
*日本スペシャルティコーヒー協会_過去の競技結果

コーヒーの世界を広げましょう。

●の、コーヒーを探しましょう。
●ハンドドリップを始める方へ。基本の抽出法。
●ハンドドリップをもっと学びたい方へ。

*光店 守本店長のページはこちら

『アイスコーヒーの作り方-爽やか編 レシピMAP』再掲

ブックマークをしてご利用ください。

アイスコーヒーの作り方 ②- 爽やか編

○仕上がりのコーヒー量 -200ml
○コーヒー粉 -20g / 中挽き / ナイスカットミル 2.5
○氷の量と注ぐ湯量/湯温 -110g(氷)湯量150ml / 92℃
○仕上がるまでの時間 -およそ2分30秒
●1投目 【 蒸らし 】
注ぐ湯量 -30ml
時間 -40秒(注ぐ時間=およそ10秒+蒸らし=30秒)
スケールがない場合 -サーバーへ滴が垂れるまで注ぐ
●2投目【 味形成 】
注ぐ湯量 -50ml
注ぐ範囲/プア・サークル -ペーパーフィルターの際5mmまで
時間 -40秒(注ぐ時間=およそ20秒/落ちきり およそ20秒)
スケールがない場合 -目分量でケトル内のお湯約 1/2弱を注ぐ
●3投目 / 4投目 【 濃度調整 】
注ぐ湯量 -各35ml
注ぐ範囲/プア・サークル -ペーパーフィルターの際5mmまで またはセンター・プア(中心部のみ)
時間 -30秒(注ぐ時間=およそ13秒/落ちきり およそ17秒)
スケールがない場合 -目分量でケトル内のお湯を1/2づつ注ぐ