【モカ コーヒーの特徴と美味しい淹れ方】 - 焙煎室とカフェの現場から解説

最終更新日: 2025/01/04

モカってどんなコーヒーですか?という問いに簡潔に答えられる方は、この豆の愛飲家でも多くはありません。
この記事では、モカ コーヒーの特徴や魅力を日々どのようにお客さまへ説明し、お薦めしているのかをお話しします。
産地や歴史といったスペックではなく、焙煎室とカフェの現場から、経験と実践に基づいたモカのストーリーです。

焙煎室から: 30年の焙煎歴、月間約3トンをローストする金近氏が解説します

「モカの味わいを説明した上で、特徴を引き出す考え方やロースト・デザインをお話しします。」

カフェから: 7店の味を監修する光店 守本店長が解説します

「刻一刻と変化する焙煎豆を、どのように抽出しお客様へ提供しているのかを話します。ご家庭での参考にしてください。」
守本雅美’17年日本ハンドドリップチャンピオンシップ決勝大会出場

さあ、焙煎室とカフェの現場から。これまで語られなかったモカです

1. 焙煎室から❶ : モカのイメージとは?

私が考えるモカのイメージは、お店の『顔』となるコーヒーです。

モカほど、広いレンジで焙煎される銘柄はありません。
シナモン ローストからフレンチ ローストまで。7つの焙煎でお店は個性を競います。

どのローストを選んだとしても、焙煎士が引き出したいのはモカの特徴的な『香り』です。
通称モカフレーバーと呼ばれるこの柑橘味をどのように解釈をするのか?その数だけコーヒー専門店は存在すると言えます。

あの店のモカ、この店のモカ。モカで全国に名を轟かせた名店も生まれています。

2. 焙煎室から❷:基本の味はこの市販品で確認

コーヒーの味わいを、言葉で的確に伝えることは案外難しいものです。
1つの答えとして、味が一定な市販品から最もモカらしい銘柄を選んでみました。

ファミリーマート【モカブレンド】
WORLD BREWERS CUP 2016のチャンピオン 粕谷哲(かすや てつ)氏によるプロデュースです。
ローストはフルシティローストの始め頃、口に含むとスッとモカらしいフレーバーが前に出てきて高級なモカ感があります。

公式サイトには、
エチオピア イルガチェフェ産のモカ豆を60%、グアテマラ産の豆を20%、ブラジル産の豆を20%の割合でブレンドしています。エチオピアとグアテマラの豆をさらに高温短時間焙煎することで、初めにモカの香りが引き立ち、その後はグアテマラ豆の甘い香りが持続します。とあります。

3. 焙煎室から❸ : モカらしい3粒

生豆と焙煎豆、それぞれ100粒から選んだモカらしい3粒です。

この記事でお話しているモカは、 【モカ シダモ】 と呼ばれるエチオピア 南西部、シダモ地方で栽培されるアラビカ種の豆です。

●COFFEEBOYでは、【モカ シダモ】を自家焙煎して 【エチオピア モカ・ナチュラル】として発売しています。

生豆はどちらかといえば小ぶりで、近隣農園からの数種の豆が混ざっているため、粒も揃っていません。
厳しい品質管理がされているとは言えませんが、近年は栽培方や精製方など様々なチャレンジをしている地域として、シダモ地区は注目を集めています。

4. 焙煎室から❹ :【モカ シダモ】と【エチオピア モカ・ナチュアル】

【モカ シダモ】は、一般的にシナモンロースからフレンチローストで焙煎されます。(グレーの⬇︎)
浅煎りから深煎りまで、各ポイントならではの味わいが存在するので焙煎していて楽しい銘柄です。

【エチオピア モカ・ナチュアル】はその中の、シナモンローストに近いミディアムローストで煎り止めます。(エンジの⬇︎)
この周辺の煎りが、モカフレーバーが一番イキイキとして香りが開くと考えるからです。

また、この豆にはエチオピア原産種や時には野生種も混ざっていて、見た目の焙煎度合いにばらつきがでてきます。
煎り止めを見極める際、細部にフォーカスするのではなく、全体をぼやーっとみながら確認をします。
これはモカだけの特徴と言えますね。

【エチオピア モカ・ナチュラル】味わいマップと基本情報

●商品名● エチオピア モカ・ナチュラル
●焙煎● シナモンローストに近いミディアムロースト
●ボディ/濃厚感● ミルキィな
●原産国● エチオピア
●精選法● ナチュラル製法
●品種● アラビカ種
●酸味、甘味、苦味● 4/5、3/5、1/5
●フレーバー● グレープフルーツ
●アシッド/酸●黄色~オレンジ色の柑橘類

COFFEEBOYの中でも浅い焙煎域になる 【エチオピア モカ・ナチュラル】
イキイキと香りの開いたCOFFEEBOYの『顔』。一度お試しください。

【エチオピア モカ・ナチュラル】についてお話しします。


【エチオピア モカ・ナチュラル】200g 1,300円

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5. カフェから❶ : 【エチオピア モカ・ナチュラル】のお客様と抽出方

【エチオピア モカ・ナチュラル】をオーダーされる方は、
・軽快な味わいをお求めの方
・香りの良いコーヒーが好きで酸味を果実感として楽しまれている方
が多いようです。

どのような味わいですか?と聞かれた時には、
・口に含むとすぐにジュワッと広がる香りが特徴的
・焙煎が中・浅煎りであることによって軽快で柔らかな一杯です
と、お答えしています。

次章から、おいしく抽出する方法を解説します。

穏やかな酸味を引き出す

COFFEEBOYでは、中浅煎り、中煎り、深煎りの3つの抽出方をブログにまとめています。

・【 中浅煎り 】ドリップコーヒーの淹れ方- 穏やかな酸味を引出すレシピ解説
・【 中煎り 】ドリップコーヒーの淹れ方- 甘さとコクを引出すレシピ解説
・【 深煎り 】ドリップコーヒーの淹れ方- きれいな苦味を引出すレシピ解説


【エチオピア モカ・ナチュラル】はミディアム ロースト、中浅煎りに属します。
この焙煎域は、不用意に抽出すると酸味が突出したり濃度が不足する傾向があります。
レシピでは、香りを引き立てながら、モカの『穏やかな柑橘味』を引き出す試みをしています。

下記にレシピMAPを掲載します。ブックマークをして抽出時の参考にしてください。

中浅煎りドリップコーヒー、マグカップ1杯分(約200ml)の抽出レシピ

レシピは、中浅煎りの中でも【エチオピア モカ・ナチュラル】をターゲットに組み立てています。
以下の点に留意して、抽出してみてください。

・湯温を92℃に設定します
(少し高い湯温で香りを引き立てます)
・前半はお湯を細目にして、後半は少し太くして500円玉に注いでください。
(爽やかさを出す目的です)

軽快さの中に モカの香りが口の中でふわっと広がる一杯に仕上がればこの豆の最良です。
酸味は明るく爽やかな印象で終わりたいですね。

【エチオピア モカ・ナチュラル】400g 2,280円

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6. カフェから❷ : 酸っぱくならない淹れ方と少しのアレンジ

浅煎り〜中煎りのコーヒーは好きだけど、酸っぱくなるのが苦手と言われる方は多くいらっしゃいます。
まずは、酸味が突出する理由をお話しします。

◉ コーヒー豆は、新鮮ですか?
酸化した古い豆は、酸っぱいだけでなく様々な嫌味が現れます。焙煎から2〜3週間の豆を淹れましょう。

◉ 味のバランスを考えてローストした豆ですか?
穏やかな酸味を引き出すためには甘味や苦味とのバランスが大切です。焙煎士が焙煎機のそばで手を掛けてローストした豆を選んでください。

◉ハンドドリップで淹れてください
注ぎ方で酸味を抑えることができます。次章で解説します。

酸味が過剰に引き出される理由

ドリップを始めると、酸味と香り、甘味とまろやかさ、苦味、雑味、の順番でコーヒー成分が現れます。
酸味が突出しやすい中浅煎り豆をいつものように(=中煎り豆のように)ドリップをすると、酸っぱさが強調されます。
酸味を抑えるためには、酸味が現れる時間帯に湯量を少なくし、甘味や苦味の時間帯に多く注ぎます。

中浅煎りと中煎りレシピ、注ぐ湯量の比較

上の中浅煎りレシピMAPと同シリーズの中煎りレシピMAPを比較してください。

2投目(酸味の時間帯): 中煎り120ml : 中浅煎り80ml
3/4投目(甘味/苦味の時間帯) : 中煎り40ml : 中浅煎り65ml

味のキャラクターが現れる時間帯で注ぐ湯量を変化させ、味のバランスを整えます。
この時間差の仕組みを利用して、競技会レベルのレシピは組み立てられています。

【 中煎り 】ドリップコーヒーの淹れ方-甘さとコクを引出すレシピ解説

◉濃度が足りないと思った時は
3/4投を3回(50/50/30ml)に分けてドリップしてください。お湯がドリッパーに留まる時間が長くなると濃度が上がります。

◉薄くしたいと思った時は
3/4投の注ぐ湯を太くして、コーヒー液を早く落としてください。お湯がドリッパーに留まる時間が短くなると濃度が下がります。

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7. モカの基本情報 とバリスタから

・産地について
エチオピアの著名なコーヒー産地、シダモ、イルガチェフェ、カッファは国の南西部、SNNPR 南部諸民族州に位置します。
シダモ、イルガチェフェは2大コーヒー産地として、
カッファはコーヒーの木が発見されCOFFEEの名の由来となった地として知られています。

また、近年最高級豆として知られるゲイシャの原種も南部諸民族州の外れで発見されています。
エチオピアは、コーヒー発祥の地として疑うことのない国といえます。

モカの精選方法と味わい

・精選方法について
モカの精選方は、天日干しナチュラル製法です。
歴史のある産地らしく、最も原始的な方法であると同時に、
雨季と乾季が明瞭で本来この製法に向いた気候と言えるでしょう。

・味わいについて
モカフレーバーと呼ばれるベリーやカシスが想い浮かぶ軽やかな果実味と、
口いっぱいに広がる甘酸っぱい香りが最大の魅力です。

また、品種の中にはコーヒー発祥の国らしく、原種が多く混じることもあり、
ワイルドな風味も時に現れ、飲むほどに飽きのこないテイストと言えます。

コーヒーの好きな国民性

・エチオピア国民とコーヒー
エチオピアのコーヒー生産量は、世界第5位。
一方、輸出量はその50%に留まっています。
国民が日常の飲料としてコーヒーを嗜んでいることが分かります。

モカとカルディとCOFFEEBOY

コーヒーが最初に発見されたのはエチオピア南東部のアビシニアン高原、今のアムハル高原という逸話が残っています。

時は6世紀、ある羊飼の少年がいつも世話をしている山羊がなぜか興奮している事に気付き、後を付けました。
着いた先で山羊が食んでいたのはまっ赤なコーヒーチェリー、人とコーヒーの出会いだったと伝えられています。
少年の名は、カルディ。COFFEEBOYのモチーフになった男の子です。

私たちCOFFEEBOYは、モカ由来のブランドとしてモカを大切な銘柄と考えています。

◉なぜ、カルディなのか?
◉相反する高揚効果と鎮静効果について

【モカ - 焙煎室とカフェの現場から】いかがでしたか?

お湯を注ぎ始めると香りが立ち上がり
周辺をアロマのループに招き入れるモカというマジック。

個人的な嗜好です。
春分や秋分の頃に
是非おはぎとモカナチュラルを一緒に合わせてみませんか。
モカの口に広がる香りと滑らかな質感が、おはぎの柔らかな食感と一体になるのを感していただけると思います。

コーヒーはとてもパーソナルな飲み物。
どなたかのネガティブは、必ずしもあなたのネガティブではありません。
様々なハンドドリップを経験して、あなたのモカと出逢ってください。

守本 雅美
(株)徳山コーヒーボーイ テイスティング・マネージャー / 光店 店長
*日本スペシャルティコーヒー協会主催 2017年ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ 決勝大会13位


8. 徳山COFFEEBOYについて

徳山コーヒーボーイは、山口県で自家焙煎豆販売とカフェの複合店を展開するコーヒー専門店です。

県東部を流れる軟水の銘川を活かした「甘いコーヒー豆」をコンセプトに、ローカル ロースターとして愛されてきました。
2024年は、ニューヨークタイムス『その年に行くべき世界の名所/山口市』の記事中で紹介され、多くの方との出会いがありました。

豆の高騰で「1杯」の大切さを強く感じる時代、One Up Qualityをテーマにハンドドリップ ブログ を多数掲載しています。
日々のコーヒーライフにお役立てください。

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