甘さのピークで煎り止めます。
生豆は加熱を始めると最初に酸味が立ち上がり、次に甘味、そしてシティロースト以降、苦味を感じるようになります。焙煎による甘さとはアメリカンからフルシティローストまでの、どちらかと言えば深煎りに至った時に起こる炭水化物のカラメル化から生成される甘味成分の事です。しかし全ての豆が同じ工程を辿る訳ではありません。例えばハニー精製では甘味が早く立ち上がるので、良質の酸味と甘味を同時に味わう事ができます。甘さのピークと言っても甘さだけに集中している訳ではなく、酸味や苦味、香りとの調和でどのような甘味が心地よく感じられるのか?を見極めます。煎り止めるタイミングはわずか数秒。その手掛かりになるのは香りです。そして何よりの「指針」はお客様の声。60年の沢山の方との対話が甘いコーヒーの源です。